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■現地現場主義の標的市場・標的顧客の理解方法
企業が市場の全ての人を満足させることはまずできない。だれもが同じ商品やサービスを気に入るわけではない。ましてや、商品やサービスが溢れ人々の購買の選択肢が数限りなくある成熟した今日では。
事業の収益性を確保するには、市場を細分化し、様々な製品やサービス・マーケティングミックスを好んだり求めたりする購買者グループを把握し、それぞれの特徴を分析する。市場の細分化は、人口統計学的、心理学的分類、行動の違いを検討することで可能となる。
どの市場セグメント(標的市場・標的顧客)を狙うかは、次の視点で選択する。
●市場セグメントのニーズ、欲求、需要を理解するよう行動し、
●まだ満足されていないニーズや欲求(未充足ニーズ)が存在し、
●未充足ニーズを満足させるために、自社が持つポテンシャルを活かせる可能性がある。
人口統計学的とはたとえば、2000年の人口ピラミッドは下図の通りである。
50才前後の「団塊の世代」とその子供達が、大きな比率を構成している。
未充足ニーズは、マーケットリサーチ会社に調査させることでもでるが、公開されている調査結果もあり大まかには理解することが出来る。
もっと大切なことは・・・・、「衣・食・住・楽」の分野について直接自分の足で、標的とする年代の顧客を観察し、ヒアリングし、より具体的にニーズや欲求や需要を理解することである。
たとえば、「衣」の分野で「団塊の世代」
●体型は、ふくよかになり、既存のSMLなどのサイズ規格では合わない
●洋服は、パンツ・スカート等とシャツ・アウターを別々のサイズで組み合わせなんとか揃えているが、デザインの選択に幅がなく困っている人も多い
●トレッキングやウォーキングするする人がこの世代に多いが、体型にフィットするウェアがなかなかない人も多い。スポーツ用品店の平日の日中は若者以外に、この年代の女性が多く訪れるが品揃えは???
心理学的分類や行動の違いも、マーケットリサーチ会社に調査させ様々な分析をかけることによって出すことが出来るが、・・・・コストは中堅中小企業が行うには大きくあまり利用されてはいないと思う。
しかし、読む「雑誌」や購買する「地域や店舗」などの特性から心理学的分類や行動の違いをある程度分類する事ができ、「衣・食・住・楽」の分野について直接自分の足で、標的とする顧客を観察し、ヒアリングし、より具体的にニーズや欲求や需要を理解することができる。
たとえば、「住」の分野での「私のカントリー」等の雑誌を読む人
●気の無垢の家具やカントリー雑貨が好きで
●ホームセンターでは満足しない、雑誌に載っている雑貨屋で部屋を演出するものを買う
●日本の部屋はアメリカ・イギリス等ほど広くはないけれど、気分は洋風田舎
雑誌に出ている雑貨店を訪れる人々を観察できる。雑誌はある種の志向の人が選択して買うものであり、その雑誌には専門ショップが広告や記事に登場しそこに足を運べば、標的顧客を観察したり実際に購入する商品等も見たりできる。住の関係だけでなくても車関係でも同じように雑誌がある、衣・食・住・楽の分野で様々な雑誌がある。インターネット上には、ホームページや掲示板等もあり雑誌と同じように、ある志向の人達が訪れるものが沢山ある。
未充足ニーズの発見には、実際に標的市場の顧客にヒアリングするのもいい。
グループインタビューやデプスインタビューという方法をとることが出来る。4〜6人ぐらいのその標的市場の感度の高い顧客をリクルーティングして座談会形式でインタビューするなど。
ネットアンケートは量的なデータを取るにはいいが、もしホームページを開設し情報収集することを行うのであれば、感度の高い顧客を抽出できるようにし、地理的な問題もあるがリクルーティング装置として活用し、グループインタビューが出来るようにしたいものである。
小売業ではどうか。・・・・購買頻度が高くかつ購買金額も高い顧客はPOSデータからリクルーティングするのは容易である。店作りや売場開発・MDに非常に役立つ意見だ多く得られるが、日本の小売業でどれだけ実施されているだろうか?
POSデータ自身の分析もまだ十分ではないだけでなく、非常に大切な顧客の生の意見を収集するために活用できるのだが・・・・正直残念でならない。
性別では、「女性」の理解が重要である。確かに、就業する女性は多い。しかし、平日の昼間に来店したりネットショップで商品を購入するのは大半は女性である。このことは十分に注意ししなければならない。
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