■顧客満足・従業員満足を利益に連鎖させる方法

あとがき
 

経緯と参考文献

 標準化した「総合満足度」と「利益」データから、2次・3次の関係性を加えるなどして回帰分析すれば、「利益」に対する「総合満足度」のインパクト(影響度の指数)は求めることができます。ただ「総合満足度」を上げるためにどんな満足属性に関わるオペレーションを改善したらどの程度「利益」が上がるのかは予測することは出来ません。
 ケモメトリックス(Chemometorics)とは、1972年にスウェーデンのS.Woldによって作り出された造語で、「数学的手法や統計的手法を 適用し,最適手順や最適実験計画の立案・選択を行うと共に,化学データから得られる化学情報量の最大化を目的とする化学の一分野」です。この中で一つの方法としてPCR(主成分回帰分析)が使われることは化学の分野ではよく知られています。
このPCRを使って「満足属性」の評価が1単位上がると⇒「利益」金額がいくら上がるかを予測するのが「満足属性の利益インパクト予測モデル」モデルです。 「満足属性」→「潜在満足変数」→「総合満足度」→「利益」のインパクト(影響度)の指数をモデルの変数として満足属性のオペレーション改善により期待できる「利益」金額を予測するモデルです。
 「カスタマー・バリュー クオリティーと顧客満足を高め収益につなげる」訳:西村行功 2001 ダイヤモンド社 でこの方法が紹介されています。
 統計解析にそれなりに精通した方には理解できる内容で書かれていますが、分析手順を経営実務家の方にわかりやすくするために補足・修正を加え整理しなおしました。
 「従業員満足」も日本でも一時注目されましたが・・・・、「ブランド」についても同じように一時注目されましたが・・・・。 手法等の流行廃りではなく、「バリュー・プロフィット・チェーン−顧客・従業員満足を「利益」と連鎖させる」 という書籍を参考にし、「顧客生涯価値」と「顧客満足」、「従業員満足」と「インターナル・ブランディング」という観点からさらに手を加えて展開方法を加えております。
 「顧客満足」も「従業員満足」もすでに多くの企業で測定されていることと思います。一から「満足属性の利益インパクト予測モデル」にあった調査設計しなおすことには抵抗も多いと思います。現在の満足調査を改良して「満足」と「ロイヤルティ」「利益」を連鎖させるためのアセスメント手順も5.で提示させて頂きました。

全体として「顧客満足」「従業員満足」「インターナル・ブランディング」を連携させて「利益」との連鎖関係を体系化いたしましたので、よろしければ、実務にお役立てください。

                       2007年3月  株式会社MCプロジェクト 代表取締役 坊池敏哉

 参考文献
1 Improving Customer Satisfaction, Loyalty, and Profit: An Integrated Measurement and Management    System  Michael D. Johnson, Anders Gustafsson  2000
  カスタマー・バリュー−クオリティーと顧客満足を高め収益につなげる− 訳:西村行功
  2001 ダイヤモンド社
2 The Value Profit Chain James L,Heskett, W.Earl Sasser. Jr and Leonard A.Schesinger 2003 
  バリュー・プロフィット・チェーン−顧客・従業員満足を「利益」と連鎖させる 訳:山本昭二・小野譲司
  日本経済新聞社 2006
3 顧客満足度把握プロセスと従業員満足研究報告書 (財)社会生産性本部 ベンチマーキング推進会議  顧客満足把握プロセス研究部会編 2005
4 Bob E. Hayes. Measuring Customer Satisfaction: Survey Design, Use, and Satistical Analysis   
  Methods(Milwaukee Wis:ASQ Quality Press. 1998
5 多変量解析法(改訂版)  奧野忠一 芳賀敏郎 日科技連出版社 1981
6 分析化学のための多変量解析法  三井利幸 日本図書出版協会 1997



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